11月の米国経済指標が発表され、明暗が分かれました。

まず製造業から見てみましょう。ISM製造業PMIは48.2に低下し、予想の49を下回り、前月の48.7よりも悪化しました。これで9か月連続で50の景気分岐点を下回っています。製造業の回復？今のところその兆しは見えません。

サービス業は様子が異なります。11月のISM非製造業PMIは52.6に上昇し、予想の52.1を上回り、前月の52.4よりもさらに上昇しました。6か月連続で景気分岐点を超え、直近2か月は上昇傾向です。サービス業が経済の半分をしっかり支えています。

雇用データはやや分裂気味です。ADP雇用者数は3.2万人減少——そう、減少です。市場は1万人増加を予想していました。先月は4.7万人増加だったのが、今月は一転して減少。一部業種の採用需要が明らかに冷え込んでいます。しかし、新規失業保険申請件数は19.1万件で、予想の22万件や前回の21.8万件を下回りました。失業者はまだそれほど多くなく、労働市場はまだ崩れていません。

注目すべきは——金利の見通しです。CMEのデータによると、市場は12月のFRBの据え置き確率を13%と見ており、25ベーシスポイントの利下げ確率は87%に達しています。来年1月になると、据え置き確率はさらに9%に下がり、25ベーシスポイント利下げ確率は64.1%、累計50ベーシスポイント利下げ確率も27%に達しています。市場は利下げサイクルが始まるとほぼ織り込んでいます。

来週は12月のFOMC会合があり、金曜日にはFRBが最も重視するインフレ指標であるコアPCE物価指数も発表されます。このデータが出れば、政策の方向性はほぼ決まるでしょう。

BTCやETHのようなリスク資産にとって、利下げ期待が高まることは通常ポジティブなシグナルです。流動性が緩和されれば、資金はどこかに向かう必要があります。今週のデータに注目しましょう。