FRB新議長争い:ハト派の利下げ主張と暗号資産への立場が核心要素に

作者:Wenser、Odaily 星球日报

原标题:米連邦準備制度理事会“新総裁”カウントダウン:5大候補者の徹底解剖、最後の勝者は誰か?


2025年も終盤に入り、現職のパウエルFRB議長の“退任”が迫る中、市場では次期FRB議長候補に関する憶測が続いている。

米財務長官スコット・ベセントのこれまでの発言によれば、現在候補者は5人まで絞られており、“トランプ派”のケビン・ハセットやタカ派のケビン・ウォーシュも含まれている。この5人のうち最終的な勝者が、今後数年にわたり“米国経済と金融の心臓部”であるFRBを率いることになる。

現在Polymarketでの「トランプが指名するFRB議長候補」では、ハセットが74%の確率で大きくリードしているものの、トランプ自身の過去の型破りな行動を考慮すると、最終決定が下るまで新議長の人選には依然として不確定要素が残る。Odaily星球日報は本記事にて、現時点の5人のFRB議長候補者について簡単に紹介し、読者の参考とする。

新FRB議長候補者トーナメント:11人リストから5人リスト、そして5人から1人を選出へ

今年8月、トランプ政権が次期FRB議長候補を評価した際、このリストには11人の名前が並んでいた。

当時、財務長官スコット・ベセントは審査を9月に開始するとし、候補者はいずれも“極めて有力な人材”と語った。その中には、Jefferiesチーフマーケットストラテジストのデビッド・ゼルヴォス、ブラックロックのグローバル債券CIOリック・リーダー、FRB高官のクリストファー・ウォラーやミシェル・ボウマンなど、暗号資産に対してオープンな姿勢を持つ人々が含まれていた。

10月末には候補者リストは5人まで絞られ、前述の“暗号資産オープン”な4人のうち、ブラックロック幹部のリック・リーダー、FRB高官のクリストファー・ウォラー、ミシェル・ボウマンがリスト入りしたことから、トランプ政権が引き続き“暗号フレンドリー”の視点でFRB議長候補を選定していることがうかがえる。元FRB理事のケビン・ウォーシュは、そのタカ派的な立場から注目されているものの、いわば“フェアさを示すための太子読者”的存在かもしれない。

12月1日、トランプは「誰をFRB議長に指名するか決めている、まもなく発表する」と高らかに宣言。前述のスコット・ベセントの発言と合わせて、クリスマス前にトランプの選択が明らかになる見込みだ。以下、現時点での5人のFRB議長候補者の基本情報をOdaily星球日報がまとめた。

“優勝候補”:ケビン・ハセット 国家経済会議委員長、トランプ派、暗号資産フレンドリー度:高

11月末、事情通によれば、FRB議長選考が最終段階に入る中で、ホワイトハウス顧問団やトランプの盟友の間では、国家経済会議委員長のケビン・ハセットがFRB議長の最有力候補となっている。

その理由は、ハセットが指名されれば、トランプがFRBという独立中央銀行に“ハト派のクサビ”を打ち込み、トップダウンで自身の利下げ理念を持ち込むことができるからだ。これはパウエル現議長に対してトランプが度々不満を表明していた点でもある。

中央銀行の意思決定に大統領が影響する最も直接的な手段として、FRB議長や理事の人選は“最大の権力”の一つとみなされてきた。トランプの1期目ではパウエルを指名したものの、利下げが期待通り進まなかったことで、その決定を後悔したと言われている。

経済政策の分野でも、ハセットはトランプの忠実な支持者であり、積極的な“利下げ派”として知られる。以前には「FRB議長になれば即座に利下げを実施する」と公言し、「データがその決定を支持している」と述べていた。また、「FRBの発展のためには、非線形時系列モデルを構築できる世界最高の予測専門家を採用すべきだ」とも語っている。

さらに、暗号資産市場にもフレンドリーな姿勢を示し、ビットコインをインフレヘッジの手段と見なしており、暗号資産市場の規制緩和を推進する可能性がある。今年6月のブルームバーグ報道によれば、米暗号資産取引所Coinbaseの顧問を務めていたため、少なくとも100万ドル、最大で500万ドル相当のCoinbase株式を保有している。

“タカ派候補”:ケビン・ウォーシュ 元FRB理事、暗号資産フレンドリー度:低

2006年から2011年までFRB理事を務めた元政府高官のケビン・ウォーシュは、2008年金融危機時の対応経験を持つほか、フーバー研究所の研究員も務めている。政策スタンスはタカ派寄りで、金利引き締めやインフレ抑制を優先し、FRBバランスシートの縮小を主張している。明らかに“利下げ派”ではなく、共和党経済サークルの中枢にありながらも、トランプの経済政策路線とはあまり重ならない。

暗号資産に対するスタンスはやや矛盾している。

2021年初頭のCNBCインタビューでは「米ドル安の局面では、ビットコインをポートフォリオの一部とするのは理にかなっている」と述べていたし、2022年にはBTC、ETHのETF主要運用会社Bitwiseにも投資している。表面的には“暗号資産フレンドリー”に見えるが、トランプのようにCBDC(中央銀行デジタル通貨)に明確に反対しているわけではなく、むしろCBDCを支持している。

また、ウォール街のモルガン・スタンレーM&A部門のVP/EDを務めていた経歴もあり、2008年金融危機時にはFRBとウォール街の橋渡し役として、政府機関と大手資本の間を調整していた。

昨年11月、トランプは一時ウォーシュを財務長官に起用し、その後FRB議長に抜擢することを検討していたが、最終的にはスコット・ベセントが起用された。

“中立派”:クリストファー・ウォラー 現FRB理事、暗号資産フレンドリー度:中

現職のFRB理事であるクリストファー・ウォラーは、政策スタンスが穏健なハト派寄りで、段階的な利下げを支持している。公の場ではデジタル資産を決済手段の補完と位置付け、CBDCには反対の立場。適切な規制を前提に、ステーブルコインがドルの地位を強化するとしている。

ウォラーの穏健な姿勢は、大幅な金融緩和を制限する可能性があり、トランプが期待する大幅利下げやタカ派の継続的な引き締めとは異なる。

ただし、ウォラーには大手投資銀行や大規模ファンドでの勤務歴はなく、主に学術界とFRBで活躍してきた。コロナ後の金融政策では、ウォール街からは“中立ややタカ派”のFRB理事と見なされているが、ウォール街との結びつきは薄く、一定の独立性を有している。

また、ハセットの声が高まったことで、ウォール街や米産業界の関係者から強い反発が起こり、FRBの独立性を守るためにトランプのハセット指名阻止を目指す動きもあった。そのためウォラーは妥協的な適任者と見なされており、現職理事のため、トランプが指名すれば1回の投票で就任可能となる。

“金融界の巨頭”:リック・リーダー ブラックロック現役幹部、暗号資産フレンドリー度:高

ブラックロックのグローバル債券責任者として、リック・リーダーは1兆ドル規模の資金配分を直接統括している。いわゆる職業政治家ではなく、FRB理事の経歴もなく、政府機関での勤務経験もないが、過去に共和党への献金記録があることから、“債券王”の一人と称される。金融政策はややハト派寄りで、FRBが中立金利に達した後は慎重かつ柔軟であるべきと主張している。

もちろん、ブラックロックの現役幹部として暗号資産にフレンドリーな姿勢は言うまでもなく、「ビットコインは21世紀の金」と高らかに述べ、伝統資産との相関が強まる中で、暗号資産ならではのリスクヘッジ・分散効果を強調している。

しかし、ウォール街資本の象徴的存在である彼が、現在の政治状況下で十分な政治的支援を得るのは困難だろう。なぜなら、FRBは独立した中央銀行としての政治経済的地位を保つ必要があり、ウォール街資本とは本質的に対立しがちだからだ。FRBがウォール街の意向に左右されるわけにはいかない。したがって、リーダーの議長就任の可能性は低い。

“透明な伴走者”:ミシェル・ボウマン 現FRB理事、暗号資産フレンドリー度:中

現職FRB理事のミシェル・ボウマンは、以前は“大手銀行の代弁者”とみなされ民主党からタカ派のレッテルを貼られていたが、最近では中立ややハト派の金融政策を打ち出している。

今年8月には「雇用市場の活力と米国経済全体への懸念を踏まえ、今年は3回の利下げが必要」と発言。利下げのさらなる遅延は「雇用市場の悪化や経済成長の減速につながる」と懸念している。

10月には「年末までにあと2回の利下げを予想する」と高らかに表明。

また、家族が小規模銀行を所有し、本人も銀行局長を務めていた。過去には暗号資産への規制が慎重すぎると批判し、銀行や規制体制の“規制緩和”を支持している。

それでも、個人の銀行業界のバックグラウンドや過去の発言を考慮すると、FRB議長指名では“伴走者”となる可能性が高い。

執筆時点で、Polymarketの「トランプが指名するFRB議長候補」では、

  • ハセット 74%
  • ケビン・ウォーシュ 13%
  • クリストファー・ウォラー 5.3%
  • スコット・ベセント 3.4%
  • リック・リーダー 2.9%
  • ミシェル・ボウマン 1.6%

Polymarketが昨年トランプの米大統領選勝利を的中させたように、今年も新FRB議長指名を的中させられるかどうか、注目して見守りたい。


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