Sweatcoin 2024：暗号通貨かフィットネストラップか？

1.2億ユーザー、500億枚トークンが流通中。でも本当に歩くだけで稼げるの？

コアメカニズム：足で“マイニング”

ビットコインが電気代を消費するのとは違い、Sweatcoinは物理的な活動をハッシュパワーの代わりに使う――1000歩ごとに0.95枚のトークンがもらえる。この仕組みは魅力的に聞こえるが、裏のロジックは厳しい：

• 初期収益率：1 SWEAT/1000歩
• 1年後：0.33 SWEAT/1000歩に減少
• 5年後：わずか0.02 SWEAT/1000歩
• 1日の上限：5枚/日（追加でステーキングしない限り）
• プラットフォーム手数料：SWEAT交換時に5%の手数料

つまり、早期参加者だけが大きな利益、後発はわずかな報酬――STEPNと全く同じ構図だ。

今回なぜ流行したのか？

1. 参入障壁が極めて低い：完全無料（STEPNのようにNFTスニーカー購入不要）
2. 600社超のブランド提携：Apple、Audible、HeadspaceなどがSWEAT決済を受け入れ
3. ヘルスケアストーリー：2018年英国の研究で利用者の運動量が20%増加
4. オンチェーン連携：ステーキング、取引、NFT購入が可能

だが、これらは飾りに過ぎない。実際の課題は――

隠された問題点

✗ インフレ・スパイラル：供給量が増え続け価格は下落（典型的なPlay-to-Earnの死のスパイラル） ✗ 価値のパラドックス：歩いてSWEATを稼げば稼ぐほど、1SWEATあたりの価値は下がる
✗ ユーザー離脱：十分な報酬を得られないユーザーは急速に離脱 ✗ STEPNとの比較：STEPNはGMTガバナンストークン＋高収益ポテンシャル、SweatcoinはSWEATのみ

投資家への示唆

Move-to-Earnに参加したいなら、3つの問いを自分に投げかけてほしい：

1. プロジェクトはトークンインフレをどう抑制するか？（Sweatcoinの答えは「マイニングレートの引き下げ」だが根本的な解決ではない）
2. 非金融インセンティブはどれだけ持続するか？（フィットネスアプリの継続率は6ヶ月後に90%減少が一般的）
3. 実用的な利用シーンはあるか？それとも単なる「稼げるストーリー」か？

結論：Sweatcoinは一般ユーザーが暗号資産にスムーズに触れられる賢いプロダクト。ただし投資対象としては、従来のPlay-to-Earnプロジェクトと同じ課題――経済の持続可能性――に直面している。

1.2億ユーザーは一見華やかだが、ブロックチェーンゲーム業界ではDAU（デイリーアクティブユーザー）と実際に生み出す価値こそが重要な指標。本当にSweatcoinのオンチェーンデータを追っている人はいるのか？