株式投資で着実にリターンを狙うには?四季報を活用した銘柄選びのツボ | 節税しながら、資産形成しよう | マネクリ マネックス証券の投資情報とお金に役立つメディア

株式投資でリターンを出すには、「安く買って高く売る」のが基本と言われます。イギリスの有名な経済学者、ケインズは株式投資を「美人投票」にたとえました。美人投票で誰が選ばれるかを当てたいのであれば、自分が一番美人だと思う人を選ぶのではなく、「みんなが美人だと思う人」を選ぶ必要があるのだと。

株もそれと同じで、自分が一番欲しい株よりも「みんなが欲しいと思う株を選ぶことが大切である」という意味ですが、みんなが欲しいと思う株とはどのような株でしょうか?

株式投資から得られるリターンには、「売却益」「配当金」「株主優待」の3つがあります。どのリターンを狙うにしろ、業績のチェックは重要です。なぜなら、好業績でなければ企業は成長しないし、配当は出ないし、優待も無くなる可能性が高いからです。成長もしない、配当・優待がない企業を欲しがる人はいません。当然、株価も上がりません。

よって、業績のチェックが必須であることがわかります。今回は、好業績に主眼を置いた銘柄選びのツボをお伝えします。

値上がりする銘柄を選ぶ3つのポイント

日本の株式市場には約3900社が上場しています。米国株は5000社を超えます。この中から1社ずつチェックしていては、時間が足りません。よって、ある程度スクリーニング(ふるい分け)する必要があります。

四季報やWebサイトの「スクリーニング機能」などを元に行う「業績スクリーニング」に入る前に、次の3つのポイントで「思考実験」「連想ゲーム」を行い、投資すべき業界や銘柄を絞っておくのがベターです。

銘柄選びのポイント1:10年後、20年後も必要であり続けるか

最初に、企業が提供する商品・サービスが、10年後、20年後も必要であり続けるかを考えましょう。たとえば、人口問題や食料問題、資源問題などの解決を手がける商品・サービスは今後も堅実です。「健康」「ヘルスケア」「美容」「医療」といったテーマのニーズも普遍的でしょう。社会情勢の潮流に乗り、かつ今後も必要とされるサービスを提供していると、成長性が期待できます。

銘柄選びのポイント2:生活を豊かで楽しいものとして提供しているか

次に、消費者目線で商品やサービスをチェックしましょう。生活を豊かで楽しいものにする商品や役に立つサービスは、いつの時代も変わらずに売れ続けます。自分が「利用したい」「便利」と思える商品・サービスを提供しているかどうかを確認しましょう。

銘柄選びのポイント3:参入障壁の高い強みがある、成長・進化し続けるDNAがあるか

他社が真似できない強みがひとつでもある企業は、それがエンジンとなって成長する余地があります。ある分野の商品・サービスのシェアが高い、特許を持っている、規模の大きいプラットフォームを持っているなどといった「参入障壁」が高いビジネスを推進している企業は堅実な成長が期待できます。人材育成、研究開発、設備投資、M&Aなどを行い、未来に投資している企業も成長が期待できます。

上記のポイントを押さえて、数字(業績)で根拠を取りに行きます。

業績チェックは四季報が便利 4つのチェックポイント

会社四季報は、日本の全上場企業の業績や財務状況、株価の推移などを網羅した書籍です。年に4回、3月・6月・9月・12月の中旬に刊行されています。1936年に創刊して以来、「投資家のバイブル」として、多くの投資家たちに愛用され、最近では証券会社のWebサイトやアプリなどでも読むことができます。マネックス証券でも、ログイン後にWebサイト上で確認することができます。

会社四季報には、次の図のように上場企業のデータが詳細に記載されています。

著書「はじめての新NISA&iDeCo」(成美堂出版)より

会社四季報のチェックポイント

次の4つのポイントをチェックしましょう。

四季報のチェックポイント1:記事欄の【見出し】

「記事欄」の最初の見出しに注目し、業績好調を示す強い見出しかどうかをチェック。【絶好調】【連続最高益】【利益倍増】【大幅拡大】【躍進】などの見出しは、その企業の好調ぶりを示します。また、【独自増額】にも注目。会社四季報の記者が取材の結果、「会社計画は保守的すぎる」と判断し、独自に予想を引き上げたことを指します。

四季報のチェックポイント2:業績欄の「売上高」「営業利益」「EPS(1株あたり利益)」「1株あたり配当」

成長性のチェックに欠かせないのが「売上高」と本業で稼いだ金額を表す「営業利益」です。過去3期または5期と予測2期分が記載されています。売上高と営業利益が両方とも右肩上がりになっている企業を選びましょう。

営業利益だけが右肩上がりの企業は、販売管理費(人件費)削減によるもの。企業の成長には「人材(人財)」が欠かせません。成長性の観点からは、売上高と営業利益が両方とも右肩上がりがポイントです。

1株あたり利益(EPS)とは、最終的な利益である当期純利益を発行済み株式数で割ったもの。EPSが年々増えている企業は堅実に成長していることを表し、配当金を出している企業であれば増配の期待も高まります。

高配当株(配当利回りが高い株)に投資をしている場合は、1株あたり配当が年々増加していることも合わせてチェックしましょう。高い配当を出し続けられるか、増配の可能性があるのかが判断できます。

投資家自身が保有する目線での配当利回りの計算式は、「年間配当金÷株価(購入時点)×100(%)」です。分母は購入価格で計算しますので、増配することによって実質的な配当利回りがアップしていきます。購入時は3%の配当利回りでも、企業が成長し配当金を増やせば配当利回り10%や20%を超える超高配当銘柄になる可能性もあります。長期保有を前提であれば、増配株に投資した方がベターです。

四季報のチェックポイント3:財務欄の「自己資本比率」「有利子負債」「利益剰余金」「営業CF」

企業の成長には借金が欠かせませんが、度を超えた借金があると財務的に苦しくなります。企業にあるお金のうち、返さなくていい部分(自己資本)の割合を示すのが「自己資本比率」です。50%以上だと安全性が高いと判断されます(銀行業は業界平均で5%程度、リース業は15%程度となっているので業態にもよります)。一方で無借金経営も成長性の観点からは弱い点です。50%前後がちょうどいいラインなのではと考えています。

また、有利子負債(利子をつけて返さなければならないお金)は少ないほど健全です。高配当株、増配株、非減配株(累進配当株)に投資をする際は、利益剰余金が多いことも注目です。

高配当株、増配株、非減配株にはよくあることなのですが、その年の利益が少なくなった場合や損失になった場合でも、過去の利益を積み立てた「利益剰余金」から配当金が支払われることがあります。なぜ、そうまでして企業が配当金を支払うかというと、配当株投資をする投資家の多くが、減配(配当金が減る)や無配(配当金がない)になると一気に株を売却する傾向にあるためです。つまり、株価急落を防ぐために支払われます。

キャッシュフローには、「営業活動によるキャッシュフロー(事業の現金収支)」「投資活動によるキャッシュフロー(設備投資などの現金収支)」「財務活動によるキャッシュフロー(資金調達などによる現金収支)」の3つがあります。

一番重要なのは、営業キャッシュフロー(以下営業CF)。営業CFは、事業を通じて得られた現金の収支を表したものです。本業が好調で、きちんとお金が回収できていれば営業CFが増加し、経営が安定します。また、営業CFが多ければ、融資などに頼らず事業規模を拡大していくことができますので、将来性や成長性をはかる指標としても活用できます。

しかし、営業CFが減っている、さらにはマイナスになっているとなれば、手持ちの現金が減っているのですから、経営が不安定になります。これが続くようならば、事業の存続も危ぶまれてしまいます。ですから、営業CFはプラスになっていることが大切ですし、多い方が望ましいでしょう。

四季報のチェックポイント4:業績予想の修正欄

今号の四季報の営業利益予想と前号の予想を比較して、どのくらい増減しているかを矢印で記載しています。

↑↑大幅増額:30%以上の増額

↑増額:5%~30%未満の増額

→前号並み:5%未満の増額

↓減額:5%~30%未満の減額

↓↓大幅減額:30%以上の減額「↑↑」(大幅増額:30%以上の増額)、または「↑」(増額:5%~30%未満の増額)の企業は、業績がさらによくなる期待ができますので注目です。また、顔の絵文字が「笑顔」だと、会社予想の営業利益よりも四季報予想の営業利益が強気(四季報担当者が「企業予想が保守的だ」と考えている)ことを表します。

株式投資は、今や1株からできる時代です。企業によっては、1株からでも配当金を受け取ることができます。株主優待は、単元である100株以上の保有が優待受け取りの条件となっていることがほとんどですが、1株保有するだけで株主優待がもらえる企業もあります。新NISAで投資信託への積立投資をしている方は次の一歩として、株式投資にチャレンジしてはいかがでしょうか。

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