Gate Research：UniswapのTVLが年間最高値を更新、BTCは新高値達成後に調整局面

サマリー

• BTCは2025年10月7日に126,000 USDを突破し、史上最高値を更新。現在は短期レンジで推移しています。
• Plumeが機関投資家向けステーキングプロトコルDineroを買収し、RWA統合とコンプライアンス対応ステーキング基盤を強化しました。
• 21Sharesは資産運用プラットフォームStratiphyと提携し、暗号資産連動ETNのリテールアクセス拡大を推進しています。
• UniswapのTVLが70億USD超となり、2025年の新高値を記録しました。
• ビットコイン現物ETFは過去1週間で8億97万USDの純流入となり、機関投資家需要が急回復しています。
• DDCは2025年10月8日、ビットコイン準備資産戦略推進に向けて1億24万USDの資金調達完了を発表しました。

マーケット概要

マーケットコメント

• BTC – BTCは2025年10月7日に126,000 USDを突破し、史上最高値を更新。現在は短期的なレンジ相場で推移し、日中の移動平均線付近で値動きしています。MACD指標は弱気クロスの可能性を示し、ヒストグラムの縮小がモメンタムの減退と買い手の追随の弱さを表しています。BTCが123,000 USDを維持できなければ、122,000 USDや118,000 USD付近のサポートを再試す可能性があります。一方、124,000 USDを出来高を伴って明確に上抜ければ再び上昇モメンタムが回復する見込みです。
• ETH – ETHは今週0.96%下落し、比較的顕著な調整となりました。直近高値から反落し、短期移動平均線を下回る水準で推移しており、短期構造は弱気寄りです。現在4,470 USD付近で取引されており、MACDは強気クロスを維持しつつもヒストグラムが縮小しており、上昇モメンタムの減退が示唆されています。4,450 USDを割り込めば4,335 USDゾーンの再試験余地が広がり、4,550 USDを上抜ければ短期的な下押し圧力が緩和される可能性があります。
• アルトコイン – 主要アルトコインは今週小幅上昇。AIフレームワークやローンチパッド分野のトークンは過去7日間に平均60%以上上昇しました。
• ステーブルコイン – ステーブルコインの時価総額は3,136億USD。USDCやUSDeなどが市場注目を集めています。
• ガス代 – イーサリアムネットワークのガス代は今週低下し、2025年10月9日時点の平均ガス代は0.12 Gweiとなっています。

注目トークン

主要アルトコイン分野は今週堅調な上昇となりました。CoinGeckoによると、AIフレームワークとローンチパッドカテゴリーは過去7日間で平均60%以上の値上がりを記録しています。以下は代表トークンと主な上昇要因の分析です。

LAVA – Lava Network（+197.67%、流通時価総額5,550万USD）

Gate市場データによれば、LAVAトークンは現在0.16345 USDで取引され、24時間で197.67%上昇しました。Lava NetworkはオンチェーンAIエージェント・アプリ・ウォレット間のトラフィックを統合するプロトコルです。複数のデータプロバイダーを集約し、速度と信頼性に応じてクエリや取引をルーティングします。これまでに350万USD超の収益を生み、100万USD以上をサービスプロバイダーに支払っています。ブロックチェーンを都市に例えるなら、Lavaはデータ経路を担う基幹インフラです。

今回の上昇は主にニュースの影響を受けています。Lava公式発表によると、スタンダードチャータード銀行は2028年までに新興国銀行から1兆USDの資本がステーブルコイン資産へ流出すると予測。すべてのステーブルコイン取引はRPCインターフェースに依存し、Lava Networkが重要なインフラとなります。オンチェーンデータ基盤への認知拡大とクロスチェーン対応・分散化の進展により、投資家の関心と期待が高まり、LAVAトークンは24時間で約198%急騰しました。

COAI – ChainOpera AI（+81.59%、流通時価総額10億960万USD）

Gate市場データによれば、COAIは現在5.6588 USDで取引されており、24時間で81.59%上昇しました。ChainOpera AIはオンチェーンアプリ向けに高性能AIモデル推論とデータ処理を提供するインフラプロジェクトです。AI推論ノードと分散型コンピューティングリソースを統合し、オンチェーンAIネットワークエコシステムを構築しています。COAIはプラットフォームのネイティブトークンとして計算支払い、ステーキング、ガバナンスに用いられます。

今回の値上がりは提携拡大や新製品発表が要因です。ChainOperaは複数のエコシステムプロジェクトとの提携を発表し、AIネットワーク分野での影響力を強化しました。さらにCOAIは最大5倍レバレッジのデリバティブ取引商品をリリースし、市場からの注目が集まっています。「オンチェーンAIモデル・トラフィック層」としての認知度が高まる中、流動性や資本流入の増加が短期的な上昇を後押ししています。

MNT – Mantle（+19.40%、流通時価総額9億1,570万USD）

Gate市場データによれば、SYRUPトークンは現在0.49751 USDで取引され、24時間で7.64%上昇しています。Mapleは機関投資家向け融資ニーズに対応したオンチェーンクレジット市場プラットフォームです。最近、Arbitrumネットワークで派生型ステーブル資産syrupUSDCをローンチし、これを担保にUSDC、USDT、GHOなど主要ステーブルコインを借り入れ可能となりました。0xfluid、MorphoLabs、Eulerなど複数のレンディングプロトコルに統合されています。SYRUPの上昇はsyrupUSDCのArbitrum公式ローンチに関連しており、複数プロトコルに組み込まれArbitrum DRIPインセンティブプログラムにも参加。syrupUSDCを担保にステーブルコイン借入と追加報酬獲得が可能となり、利用シーンの拡大と資本活動活発化が短期的な注目要因となっています。

今週の注目

Plume、機関投資家向けステーキングプロトコルDineroを買収。RWAおよびコンプライアンス対応ステーキング統合を強化

RWAfi（リアルワールドアセットファイナンス）に特化したパブリックブロックチェーンPlumeは、Ethereum上の機関投資家向けステーキングプロトコルDineroの買収を発表しました。統合後はETH、SOL、BTCなど主要資産のステーキング機能がPlumeエコシステムに組み込まれます。これにより、機関投資家やDeFiユーザーは単一プラットフォーム上でステーキング利回り獲得とトークン化資産管理が可能となり、運用効率やコンプライアンス管理が向上します。本件はPlumeが規制金融とオンチェーン資産管理の橋渡し役を目指し、統一・コンプライアンス対応資産サービス基盤の構築を進める姿勢を示しています。

Dineroの主力商品ipxETHはコンプライアンス対応ステーキングソリューションで、TVLは1億2,500万USD超。Galaxy DigitalやLaser Digitalなど有力機関とも提携しており、Plumeは本買収によりコンプライアンスステーキング技術力強化とリアルワールドアセット統合基盤の拡充を目指します。DeFi市場が伝統金融との融合を志向する中、このような統合は機関投資家参入拡大や資産活用拡張に向けた重要な一歩と評価されています。

21Shares、資産運用プラットフォームStratiphyと提携。暗号ETNをリテール投資家向けに提供

暗号資産発行体21Sharesは資産運用プラットフォームStratiphyとの提携を発表。物理担保型ビットコイン・イーサリアムETNなど複数の21Shares ETNを上場・提供します。Stratiphyは21SharesのETNを導入する初の資産運用プラットフォームの一つとなり、規制リテールチャネルで暗号資産連動金融商品の普及促進の一歩となります。

21Sharesはデジタル資産を取引可能な金融商品へと転換する専門性を持ち、Stratiphyは戦略重視の投資ツールとUXに注力しています。Stratiphyの製品群に暗号ETNが加わることでリテール投資家の分散資産配分ニーズが高まっていることが示されます。この提携はリテール層の規制暗号商品へのアクセス拡大だけでなく、資産運用業界で構造化・コンプライアンス対応暗号投資ビークルの受容拡大を示します。今後は多くのプラットフォームが追随し、暗号資産と伝統金融商品の統合がさらに進む見通しです。

JupiterとEthena LabsがステーブルコインJupUSDをQ4にローンチ予定

分散型取引アグリゲーターJupiterは、独自ステーブルコインJupUSDのQ4ローンチ計画を発表。Ethena Labsと共同開発中で、Jupiterエコシステム（Jupiverse）にネイティブな金融商品として決済安定性とプロトコル統合性を両立します。Jupiterはエコシステム内の資本効率と取引一体性向上を目指し、ネイティブステーブルコイン導入による金融自律性強化を進めています。

JupUSDの導入はブランド拡張と同時に、Jupiter内部インセンティブ機構再設計の可能性も示します。例えば取引手数料割引やDeFi担保、ガバナンス報酬などが想定されます。Ethena Labsの関与により、従来型法定通貨担保ステーブルコインとは異なる設計となる可能性があり、デリバティブヘッジやステーキング利回り分配型の柔軟なペグ機構導入も考えられます。JupUSDはステーブルコイン分野の多様性拡充を促し、エコシステムに特化した安定資産として新たな選択肢となる見通しです。

主要マーケットデータ・ハイライト

Uniswap TVLが70億USD超、2025年の新高値を記録

DeFiLlamaによれば、UniswapのTVLは約70億USDに達し、2025年開始以来の最高水準です。UNIトークン価格も回復し、8 USD台に接近。プロトコル累計手数料は過去1週間で1,000万USD超となりました。

これはEthereumエコシステムでの取引活動・流動性供給の大幅回復を示します。アナリストはUniswapの成長要因として、マルチチェーン展開、V4プロトコルのテスト進展、LPインセンティブ機構の最適化を挙げています。DeFi市場全体で資本流入が再活性化する中、Uniswapは分散型取引インフラとしての地位を再強化し、エコシステムの強靭性とプロトコル収益性を示しています。

ビットコイン現物ETF、過去7日間で8億97万USD純流入、機関投資家需要急増

Farsideによると、2025年10月8日時点で米国上場のビットコイン現物ETFは過去1週間で約8億97万USDの純流入。特に10月6日は1日で12億500万USDの流入となり、2カ月ぶりの最高額で機関資本の強い回復を示しています。

BlackRockのIBITとFidelityのFBTCが市場を牽引し、それぞれ6億USD超・1億5,000万USD超の流入となりました。一部小型ETFでは小幅流出も見られます。こうした資金流入はビットコインの主要レジスタンス突破と連動し、暗号資産への機関投資家心理改善を反映しています。FRBの金融緩和期待やマクロ経済リスクヘッジ需要を背景に、ETFへの流入増加は今後も続く見通しです。

金価格高騰でXAUT時価総額が過去最高、トークン化資産への注目拡大

国際金価格の上昇を受け、トークン化金資産への需要が拡大しています。CoinGeckoによると、Tetherのトークン化金商品Tether Gold（XAUT）は時価総額15億USD超となり、過去最高値を記録。XAUTはスイス保管庫の現物金1オンスを担保とし、金の安定性とブロックチェーンの効率・アクセス性を両立します。分散投資やデジタル資産への需要拡大を背景に急成長しています。

この節目は、伝統金融とブロックチェーン応用の融合加速を示します。従来の金保有よりトークン化金資産は流動性が高く、DeFi担保・レンディング・取引などに活用可能です。中銀の金買増・地政学リスク上昇・インフレ懸念が続く環境下で、金裏付けデジタル資産需要はさらに拡大の見込みです。Tether Goldはこの分野の主要商品として、トークン化リアルワールドアセット市場での地位を強めています。

資金調達週間サマリー

RootDataによると、2025年10月2日～10月9日に暗号・ブロックチェーン関連プロジェクト14件が新規資金調達や買収を発表。暗号財務管理、オンチェーン保険、インフラ開発など多岐にわたります。資金調達は高水準を維持し、Ethereum基盤・AI応用・資産トークン化への資本配分が続いています。以下は今週の大型調達3件の概要です。

DDC

2025年10月8日、ビットコイン準備資産戦略推進で1億24万USDの資金調達完了を発表。

DDC Enterprise（NYSE: DDC）は、ビットコインを準備資産の中心とし、ブロックチェーン技術を企業資産管理システムに統合するファイナンス革新企業です。2025年末までにビットコイン保有量を10,000 BTCに拡大し、Web3企業ファイナンス分野でリーダーシップ強化を目指します。

Meanwhile

2025年10月7日、ビットコインベース保険・金融商品エコシステム拡大のため8,200万USDの資金調達完了を発表。

Meanwhileは暗号建て生命保険会社で、保険料・保険金の支払いはビットコイン（BTC）で完結します。ビットコインを会計単位とした金融インフラ構築を目指し、AI型ポリシーシステムでBTC建て生命保険加入を簡便化、契約者のBTC資産の税効率的な活用・配分が可能です。

Bee Maps

2025年10月6日、データ収集ネットワーク拡張・AIマッピングエンジン強化・企業ユースケース拡大のため3,200万USDの資金調達完了を発表。

Bee MapsはHivemapper技術を用い、コミュニティ参加型・AI駆動型で世界最先端かつリアルタイムな地図の構築を目指します。グローバルドライバーやデバイスからデータを集約し、分散型で継続的に地理空間情報を更新。フリート管理、自動運転車、都市計画向けにリアルタイムのナビゲーション・インフラ情報を提供します。

来週の注目イベント

トークンアンロック

Tokenomistによれば、今後7日間（2025年10月9日～10月16日）に重要な大規模トークンアンロックが予定されています。主な3件は以下の通りです。

• ATHは今後7日間で6億4,370万USD相当のトークンをアンロック。流通供給量の10.1%に相当します。
• APTは今後7日間で5,813万USD相当のトークンをアンロック。流通供給量の1.6%に相当します。
• LINEAは今後7日間で2,825万USD相当のトークンをアンロック。流通供給量の6.9%に相当します。
  
  
  参考：

• Gate, https://www.gate.com/trade/BTC_USDT
• Gate, https://www.gate.com/trade/ETH_USDT
• Coinmarketcap, https://coinmarketcap.com/
• jin10, https://rili.jin10.com/
• Coinmarketcap, https://coinmarketcap.com/view/stablecoin/
• etherscan, https://etherscan.io/gastracker
• Coingecko, https://www.coingecko.com/en/categories
• X, https://x.com/jupiterexchange/status/1975929208049463384
• X, https://x.com/plumenetwork/status/1975914181439471755
• Coindesk, https://www.coindesk.com/business/2025/10/08/wealth-management-app-stratiphy-and-21shares-partner-for-uk-access-to-crypto-etns
• Defillama, https://defillama.com/protocol/uniswap
• Farside, https://farside.co.uk/btc/
• Rootdata, https://www.rootdata.com/Fundraising
• Tokenomist, https://tokenomist.ai/

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